【大好きな絵本】やなせたかし著「やさしいライオン」を泣き語る
やさしいライオン (フレーベルのえほん 2) やなせ たかし (著) フレーベル館:
http://www.amazon.co.jp/
やなせたかしさんの「やさしいライオン」大好き。
いきなりかよ。
まあいいじゃないか、大好きなんだし。
結構たくさんの絵本に最近触れる機会があれど、どんな絵本もこの一冊を超えない。
かこさとしさんの「からすのパンやさん」シリーズもたまらなく大好きだし、他にも良い絵本はたくさん。
それでも。
最後はやっぱり「やさしいライオン」に戻ってきちゃう。
それぐらい大好きな絵本なのでどこが良いか泣き語っちゃうよ。
よつばの絵本の師匠、えこさんをちょっぴりご紹介
でもまずは絵本といえば私の師匠、えこさんのブログ「バンビのあくび」が本当に良いので心からオススメしておきます。
本気でよつばが大好きなブログの一つ。
普段多くの読者さんからひゅーひゅー言われている(はず)。
もともと絵本っていいなあって思ってたけど、最近とみに大好きになったのは少なからずえこさんの影響。
この“バンビのあくび”はいつもゆったりとした空気が流れている。
文章にもとげがなくて、まるい。
まるくてゆっくりとふわふわしてる、たんぽぽの綿毛のような、そんなかんじ。
ちょっとギスギスした心持ちのとき、ホッとしたいのならバンビのあくびをご覧いただくと良いと思うよ。
・・・と、絵本の師匠をひとしきりご崇めたところで本編スタート!
「やさしいライオン」ってどんな絵本なの?
この絵本のこと話すとどんな絵本なの?って当然聞かれるんだけど、少し困る。
マジに泣けるんだもん。
絵本の作者は「アンパンマン」のやなせたかしさん
それいけ!アンパンマン (フレーベルのえほん (9)) やなせ たかし (著) フレーベル館:
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やなせたかしさんと言えば、アンパンマン。
アンパンマンと言えば、あのシュールな主題歌ですよね。
何の為に生まれて 何をして生きるのか
答えられないなんて そんなのは嫌だ!(1988年 アンパンマンのマーチ 作詞:やなせたかし、作曲:三木たかし、編曲:大谷和夫、歌:ドリーミング )
・・・わたしもそんなのは嫌だ!って思ったけど、とりあえず毎日なんとなく楽しく過ごせばいいかなとも思うよー。
なんとなく、が一番しあわせなんだと思う。
なんでもないようなことが~の人はブロークンしちゃったけど。
とにかく、やなせさんの絵本はすこぶる良い。
そりゃそうだ、何いまさら言ってるんだかってね。
他にも「アリスのさくらんぼ」とか「チリンのすず」かね、あるんですよ。
その中でも私が大好きな「やさしいライオン」を忘れてもらっては困るわけです。
「やさしいライオン」との出会いは偶然できっと必然
かわいそうなぞう (おはなしノンフィクション絵本)
土家 由岐雄 (著), 武部 本一郎 (イラスト) 金の星社:
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どこかのエセアーティストっぽい表現をしてしまったが、でもそうなんだ。
私が「やさしいライオン」に最初に出会ったのは、数年前。
知人に、
「『かわいそうなぞう』っていうとても泣ける絵本があるから一度読んでみな、泣けるよ。」
って言われてね。
書店に探しに行ったんですよ、その“ぞう”を。
なかったよね、いやあったんだろうけど、視界に入らなかっただけなのかもしれない。
だって知人はその会話をした前日ぐらいにその書店に行ったのだから。
残念ながら“ぞう”には会えなかったけど、かわりに会えたよ“ライオン”!
そう、これが私と「やさしいライオン」との出会いですね、偶然は必然なんだきっと!
「やさしいライオン」は立ち読みですら泣ける絵本
「やさしいライオン」を読むと大体の人がしんみりする。
私も今は所有しているこの絵本、実はしばらくは書店に行って手に取ってみてはグズる、を繰り返してたんですね。
なんか読むだけで泣けるので、しばらくレジに持って行きづらくて。
じゃーわざわざ読むなよボケ!な状態なわけですが、これまた読みに行ってしまうのが人情。
それがなんでかもう忘れたんだけど、やっぱり名作だなー手元に置きたいなーって思いが頂点になって購入したのが去年。
そのときにツイートしてたのでご紹介しておきましょう。
大好きな絵本の一冊、やなせたかしさんの「やさしいライオン」
決してハッピーエンドではないけど、悲しさの中にも救われる点がある、名作。 pic.twitter.com/ynA723vJz1
— よつば (@4leafclover7) 2014, 5月 13
ああ・・・もう表紙見ただけでも泣ける。
(なんだっけこれ、条件反射・・・パブロフの犬状態か!よだれじゃないけど。)
ゆえにいつもは本棚の隅っこに定位置をキープ、たまにチラリ。
それにしても人の涙腺というのはこうもはかなく崩れ去るのか、この絵本の前ではそう思わざるを得ないですね。
あたたかな色味と線のやわらかさが生きた絵柄が素晴らしい
この絵本はとにかく色使いがあたたかで線がやわらかい。
記事冒頭の表紙画像をご覧いただくとわかるように、濃いめのピンクの光に照らされたブルブルとムクムク。
(ブルブルの名前の由来がいつもブルブル震えているからとか、ムクムクに至ってはムクムクと太っているからとかはご愛嬌)
物語としては決してハッピーな展開ではないのに、そんな場面ですらあたたかい絵柄。
キャンパス地にパステルで何色も重ねて描いた、幼いころのお絵かきを思い出すようななつかしさ。
手書き独特のまるい、不規則な太さの線で描かれた二匹。
絵本だからこそ、アニメではないからこその味。
「やさしいライオン」は、やなせたかしさん独特のまるい暖さが全面に出ていてとても魅力的。
この絵本の見返しの部分の子ども時代のブルブルの線画も、とてもかわいい!
物語の悲劇性を包み込むやわらかな表現が大きな魅力
※これだけじっと見ていると違うものに見えたり見えなかったり。
では「やさしいライオン」のあらすじを途中までざっくり。
◆「やさしいライオン」あらすじ◆
「やさしいライオン」は、犬のお母さんとライオンの息子の物語。
ある日、“やがいどうぶつえん”に引き取られたみなしごの子どもライオン、ブルブル。
ブルブルをムクムクは自分の子どものように愛情をこめて育てるのです。
ブルブルもお母さん犬ムクムクが大好き。
やがてブルブルは立派に成長し“とかいのどうぶつえん”に引き取られることに。
それは、年老いたムクムクと引き離されること。
ブルブルはその後立派にサーカスの顔として活躍します。
この二匹が次に会える時には・・・。
それは、ブルブルが“やさしいライオン”であるがゆえの結末。
“さいご”は、“ゆきのおかのうえのあしあと”、そして背表紙には輝く一つの星。
ちょっとした救いを残す、想像力を掻き立てる結末です。
動物虐待や人間のエゴを題材にした絵本だって言ってしまえば、それまで。
母と子の愛情の深さももちろんなんだけど、それだけじゃなくて。
いろんなものがそっと、でも、うおおっと押し寄せてくる、そんな結末です。
だから是非手に取って読んでね!
「やさしいライオン」まとめ
「やさしいライオン」
多くの人はきっと泣けると思うし、涙が出なくても何かじんわりこみ上げてくるものがあると思う。
もうね、何かもう嫌だってなったらこの絵本を開けばいいです。
何度も私もそうしたもの。
そんで、そのたびにちょっと泣いたりじんわりして温かいカフェオレ飲んだりとかね。
肝油ドロップ噛み噛みしながらでもいい。
気持ちのリセットになるんです、泣けるけどあたたかくて、やさしいから。
「やさしいライオン」は哀しくもどこまでもやさしい、そんな絵本です。
今日さすがに年度末なのでみなさん忙しいのはわかるけどここまでTLが閑散としているのはそうそうないと思う。
— よつば (@4leafclover7) 2015, 3月 31
誰か私に“ブルブルの子守歌”歌ってくれよ、眠りたいんだそろそろ。
(みんなも年度末お疲れ様!)
ライター紹介

肝油ドロップ愛好家